お茶の豆知識

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お茶の入れ方 ―長峰園での経験に基づいて―

おいしくお茶を入れることは難しいこととされています。多少の知識はあるけれど、なかなかおいしくお茶が入れられないという声をよく耳にします。
また「おいしいお茶」とはどのようなものかということも千差万別、人の味覚や好みにより様々であると考えられます。つまり万人に共通のおいしいお茶の入れ方というものは存在しないのです。

しかしお茶を入れるときに,共通して大切と思われるものがあります。それは「心」です.誰かのためにお茶を入れるのであれば、その相手に自分の入れたお茶を通じていかにして喜んでもらえるか。そうしたいかにおいしくお茶を入れようかとする「心」がおいしくお茶を入れる際の基本といえるでしょう。
ここでは深蒸し煎茶の入れ方を長峰園での経験に基づいてまとめてみました。お茶を入れる際の各注意事項に留意しながらご自分にあった方法を見つけてみてください。おいしいお茶を入れようと試行錯誤する過程を通じて、ご自分の「心」にさらに磨きをかけて戴ければ幸いです。
水道水をお使いになる場合、よく沸騰させて下さい。強火で沸騰させたあと、弱火にして3分位沸かしつづけてください。こうすることでカルキ臭さが抜けます。また沸騰させ続けることにより、お茶のビタミンCを破壊する水道水の塩素を飛ばすこともできます。
さらにできれば以下のような水をお使い下さい。
水道の蛇口をひねってしばらく水を出し続けた水
やかん等に一晩汲んでおいた水
浄水器を通した水
さらにさらにこだわる方は鉄瓶でお湯を沸かしてみてください。
鉄瓶でお湯を沸かすと鉄分がお湯に溶け出してお茶の味がまろやかになるとされています。
お湯の温度
お湯の温度は一般的に言われているように、「いいお茶ほど低温で入れる」が基本のようです。実際に体験されるとお分かり頂けますが、沸騰したばかりのお湯でお茶を入れると苦味の素であるタンニンがお湯に溶け出し、たいへん苦く感じます。逆にやや冷ましたお湯で入れるとお茶に含まれるアミノ酸が強調されお茶の甘味が増すのです。ただ深蒸し茶は蒸気による高温処理を長めに行うために,タンニンの浸出が抑えられ高温でもおいしく入れられます。ここでは基本的なお茶と温度の組合せを示しておきます。
玉露などの高級煎茶
お湯を入れた湯冷ましを両手で包み、熱さを感じずやや温めに感じるくらいが適温です。温度にして50度、熱くても70度くらいまでです。
中級・下級煎茶(茎茶などを含む)
80度から90度くらいが適温とされています。お湯を沸騰させて、ポットに入れて3時間位経過した時の温度です。長峰園の煎茶でいうと、1000円/100gくらいまでは比較的熱いお湯で入れても値段なりの味が出るようです。ただ1500円/100g位になってくると熱湯を注いでもおいしくは出ますが、冷ましたお湯をお使いになった方が価格相応の味(甘味)が出るようです。
焙じ茶・玄米茶
香ばしさを重視するために、熱湯を注いだ方がお茶そのものの味が抽出されやすいようです。わざわざお湯を冷ます必要はありません。
急須
▲ 急須の形状による抽出液の違い
写真のように急須の形により、お茶の濃さなどに違いがあることをご存知ですか。写真では縦長の急須と平たい急須を使ってそれぞれお茶を抽出しています。同じ量の茶葉を用いて同時間で抽出しても急須の形により茶碗に注がれるお茶に違いが生まれるのです。明言はできませんが、平たい急須の方が濃くお茶が入れられるようです。また注ぎ口が太いものよりも細長いものの方がやはり濃く出ます。

ご自分のお使いになっている急須がどのような形状でどのような注ぎ口をしているのかをご確認された上で、お茶の入れ方を工夫されるとよいでしょう。(また急須購入の際の目安にされてもよいのでは。)
茶碗
お使いになる茶碗の大きさと個数により、急須の大きさや茶葉の量が変わってきます。お使いになる茶碗の個数とお茶を入れる急須を一定のものに固定しながら、おいしいと思われるような茶葉の量、お茶の濃さとお湯の温度などを工夫されるとよいでしょう。煎茶をおいしく入れるための茶葉の量は、一人分で約3gが基本とされていますが、これを毎回きっちり量って入れられる方は少ないでしょう。目安としては大さじ一杯分ですが、さじにより微妙に大きさが異なるためにこれはあくまで一つの基準としてお考えください。
ただ、さじなど一定量を毎回ほぼ正確に量れる物をお使いになることが理想の茶葉の量の早期発見につながると考えられます。
お茶の種類とお茶の入れ方
一般的な「おいしいお茶の入れ方」は普通蒸し煎茶を対象に書かれている場合が多いようです。そのため長峰園の煎茶のような深蒸し茶の場合、やや入れ方が異なってくると思われます。主な入れ方は次の通りです。
1、ポットのお湯を茶碗に入れて湯冷ましする。
2、急須に茶葉を適量入れる。
3、1で冷ましたお湯を急須に注ぐ。

抽出時間は深蒸し茶の場合、30秒から60秒とされています。場合によってはすぐにお茶碗に注ぎ分けても差し支えないようです。
数人分入れる場合には、お茶の濃さ・水色が均等になる用に各茶碗に注いでください。ここで注意点は最後の一滴まで注ぎきることが大切です。
おいしく飲めるお茶の濃さはお茶により様々ですが、よく分からないという方は中が白くて平たいお茶碗を最初にお使いになると分かりやすいかもしれません。いろいろな濃さで出してみて、「これはいい」と思える濃さを見つけてみてください。参考までに長峰園の煎茶のような深蒸し茶はかなり濃く出しても渋くなったりせず、むしろ旨み・まろやかさが増すような気がします。長峰園ではかなり濃いお茶をお客様にお出ししております。そのためよく「このお茶は抹茶ですか」と質問されます。